サッカー王子と同居中!
今の相ケ瀬くんはスタメンに選ばれることばっかりで、絶対に疲れを無視してる。
でも直接そんなこと言ったって通じないし、あたしがあの場所に理由伝えないで連れていったら絶対に怒られる。
だめだ、もう弱気モードだ。
でも思い浮かばないんだ。何も考えないで思ったこと全部伝えてケンカするんだったら今日はもういい。
また近いうちに出直そう。
「……ごめん。やっぱ何でもない。
けど、これだけ言わせて。無理しすぎないで。
最近の相ケ瀬くん……頑張りすぎてる」
あたしはそれだけ言うと、両耳を押さえて自分の部屋に駆け込んだ。
後ろから「おい!立花!」ってあたしを呼ぶ声が聞こえてくるけど、そんなの無視無視。
だって絶対次には「お前には関係ねぇだろ」「部員じゃないあんたにはスタメン取りたい俺の気持ちなんてわかんねー!」って言われるに決まってるもん。
ーバタン
あたしはドアを勢いよく閉めると、その場にペタンと座り込んだ。
「はぁ……結局誘えなかったけど、言いたいこと言っちゃってるじゃん」
あたしの独り言は空気の中にそっと姿を消した。