サッカー王子と同居中！

Secret*10「キスしていいのは…」

翌日。冬の大会の県予選の日がやってきた。



ジャージに着替えて、エナメルバッグを背負うと部屋のドアを開けて



まるで道を渡るときみたいに右、左、右を見た。



すると隣からガチャとドアを開けて出てきた相ケ瀬くんがいて、気まずい状況になった。



「…………」



「…………」



なんでなんで？もう行ったんじゃないの？



あたしは自分の部屋のドアをガチャンと閉めて、階段を駆け下りた。



「お母さん、行ってきまーす！」



「行ってらっしゃい！気をつけて！」



逃げるように靴をかかと踏んだまま家を出て、学校に足を向けた。



朝から心臓に悪すぎる。もう一週間以上ちゃんと話してないからどういう顔したらいいか分からないし。



無意識に相ケ瀬くんのこと避けちゃった……。