サッカー王子と同居中!
「相ケ瀬くん、お疲れ!全然緊張してないでしょ?」
あたしはパタパタ上下にうちわを扇ぎながら声をかけてみた。
根拠はないけれど、プレーがそんな感じがしたんだよね。
決勝戦なのにプレッシャーを感じてない、自然なプレーっていうか。
「ボケっとベンチで見られると緊張がどっかに飛んでいくんだよ。おかげで今日すごく落ち着いてる」
「だーれーがボケっとしてるって?」
わざと相ケ瀬くんにぶつかるくらい近くでうちわを扇ぐ。
「ひかるしかいないだろ?」
「なんでよー!真剣に見てるだけじゃん!」
相ケ瀬くんは急に「まずい!」という顔をして隣に座っている大塚くんの方が見た。