サッカー王子と同居中!
Secret*4 「リフティング教えよっか?」
「立花、マネージャーの仕事はもう慣れた?」
週末の1日練習。
ピッチの中では今日も部員たちが走り回ってるんだけど、いつの間にか隣にいた部長の一ノ瀬先輩。
彼はTシャツの袖で汗を拭いながら、あたしに声を掛けてくれた。
「……まあまあ、ですかね?」
あたしはみんなが脱いで行ったジャージを畳むのを止めてそう答える。
慣れたと自信持って言える訳でもないし
でも仕事は1つずつだけど、覚えてきたような気もするし……。
「何それ。質問したの俺なのに何で質問返し?」
一ノ瀬先輩は「変なの」と言いながらクスクス笑っている。
サッカーしてるところも、ただ立っている姿でさえもかっこいいと思うのに
笑顔はどれも比べものにならないくらいやばい。
あたしは思わず『かっこよすぎです!』って言ってしまいそうになって、急いで口をつぐんだ。