サッカー王子と同居中!
「これっ!暇つぶしにでも使って。
ただ蹴っ飛ばしててもつまらないし、リフティングのやり方でも教えよっか?」
一ノ瀬先輩はあたしの前で両足で交互にボールを軽やかに蹴って見せてくれた。
先輩の蹴るボールはバランス良く宙に浮いては、彼の足に向かって落ちていて。
こんな凄いことあたしなんかが練習してできるようになるの?って思うけど、そんな心配よりも先に口が勝手に動いていた。
「いいんですか?でも先輩練習中……」
「あー!みんなももう休憩だよ。メニュー終わった人から順にピッチから出てきてるし……」
「教えてほしいです!」
あたしは即答で答えた。
だって、こんなうれしいチャンス二度とないよ。
こんなにサッカー上手い人から教えてもらえるなんて!
単純だけど、マネージャーやってて良かったって思っちゃう。