好きなもんは仕方ない

好きや…!


朝の七時半。


駅のホームにはサラリーマンや学生やら色んな人がおって、こんな時間帯やから余計人がようさんおるわけで。


朝から慣れないワックスをつけ、鏡で決め顔と練習をしてきた僕は、少しぎこちない歩きでいつもの改札に定期券を通した。


シミュレーションはばっちしのはずなのに、階段を降りていつもの指定乗り場のように二号車の三番扉の前で電車を待つ彼女を見かけた瞬間、僕は言ってしまったんだ。

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