ラブ・カクテル
「わかってる」


あたしは恵理姉の言葉を、適当に聞き流す。


「もし次になんか問題でも起こしたら、祐ちゃんに頼んでクビにしてもらうからね」


そう言えば、あたしが絶対に逆らえないのを、恵理姉はわかっている。


あたしの夢は、バーテンダーになること。


恵理姉があたしのことを、オーナーのお店に行った日。


あたしは一瞬にして、心を奪われた。


シャカシャカッと音を立てる、シャイカー。


グラスに注ぐと、パチパチッと音を立てる炭酸たち。


カランッと、氷が溶ける音。


すべてが、あたしを魅了した。


あたしもオーナーのように、作ってみたいと思った。


それから恵理姉に頼んで、オーナーのお店でバイトをさせてもらってる。

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