ラブ・カクテル
でもカクテルやバーの企画をやる人間が、そんなこともわからなくて良いのだろうか?


そう、疑問にも思ってしまう。


「すいません」


当麻さんが遠藤さんに説明をしたようで、遠藤さんがあたしに謝罪をする。


別に、謝ってもらうようなことじゃない。


「いえ。あの頃のあたしは、本当にバーテンだったので」


それに、あの頃のあたしは学生だったし、、、


「本当に失礼なことを」


遠藤さんが口にしたことなのに、当麻さんまで頭を下げる。


「いえ、本当に大丈夫なので。じゃ、あたし達はこれで失礼させてもらいます」


今日はただ、挨拶のつもりで来ただけだ。


「あ、これ」


当麻さんは何かを思いついたように、立ち上がる。

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