ラブ・カクテル
あたしは、恵理姉に自慢できるような生き方なんて、何1つしてない。


答えないで居ると、恵理姉がまたため息を溢す。


「理沙、何処にいたの?」

「フランス」


未成年のあたしには、住む所さえ、まとも借りられない。


だから、両親の所に行くしかなかった。


「フランスって、お父さんとお母さんのところ?」

「うん」

「信じらんない。あたしが何度聞いても「知らない」とか「放っておきなさい」とか言ってたくせに。2人揃って、あたしのことを騙してたなんて」


いや、騙してたわけじゃないとは思うが、、、


「恵理」


ふて腐れる恵理姉に、オーナーが声を掛ける。


相変わらず、2人の仲は良いのだろう。


傍から見ても、その様子はわかる。


「理沙ちゃん。フランスに行ってたってことは、良い勉強になったでしょ?」

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