ラブ・カクテル

「あたし、お礼言われるようなこと、、、」

「したよ。理沙ちゃんがあたしに勇気をくれたから、ちゃんと彼と向き合えた」


、、、向き合ったんだ。


ってことは、リサさんと大和は上手くいったんだ。


そっか、上手くいっちゃったんだ。


あたしは手の中にある、コーヒーを眺める。


そのコーヒーに写る自分が、凄く惨めに思えた。


ちゃんと、、、


ちゃんと言わなきゃ、、、


「おめでとうございます」って、、、


言わなきゃいけないと思っているのに、あたしの口は開いてくれない。


これじゃ、大和に未練タラタラみたいじゃん。


「そうなんですか」


でもやっぱり言えなくて、今のあたしにはそう言うのが精一杯だった。