ラブ・カクテル
自分で、自分に驚く。


あたしって、意外と諦め悪いんだ、、、


だから、か。


ふと、大和のことを思い出して切なくなるのは、、、


大和のことをちゃんと思い出として受け止められていないから、今でもあんな気持ちになるんだ。


「理沙ちゃん」


先ほどまで話していたオーナーがあたしの名を呼ぶ。


「配置とかは、あの頃のままだから」


いつの間にか、席に付いている当麻さんとスーツの男。


あたしは立ち上がり、カウンターの中へと入る。


オーナーの言った通り、何も変わっていない。


それは、あたしを錯覚させるには充分すぎるほどだった。


また、ここに立てるなんて思って居なかった。

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