ラブ・カクテル
スーツの男は、グラスを眺める。


そしてグラスに手をかけ、口へと運ぶ。


ゴクリっと、スーツの男の喉を通る音が鮮明に聞こえた気がした。


その後、スールの男は一言も言わずに、グラスを空にする。


「君、OL辞めた方が良いんじゃないか?」


それは、どういう意味なんだろう。


もしかして、あたしはヤッてしまった?


「OLにして置くには、勿体無い腕だ。誰かの作る酒を飲んでおいしいと思ったのは、祐司君以来だ」


それって、、、


「理沙ちゃんは、俺の一番弟子でしたから」

「そうか。そりゃ、不味いわけがないな」


店内には穏やかな雰囲気が流れる。


あぁ、、、ダメだ。

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