ラブ・カクテル
その頃の理沙は、どんな子だったんだろう。


初めて理沙に出会った時は、理沙はバーのカウンターの中に居た。


ちゃんと、バーテンダーとして、、、


でも、その頃にはもう理沙は作れなくなって居たんだ。


「どうぞ」(英語)


イケメンバーテンダーが、頼んだカクテルを差し出す。


あたしは目の前に置かれた、ブルームーンを見つめる。


そう、理沙が作れないのは、このカクテル。


どうして、作れなくなったのかはよくわからない。


あたしは理沙が作る、ブルームーンが大好きだった。


理沙にしか作れない、ブルームーン。


それをあたしはまた、飲みたいんだ。


グラスに手を伸ばし、口をつける。

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