ラブ・カクテル
文也はスッと、立ち上がる。


そして戻ってきたと思ったら、手にはカクテルの材料。


「だから、、、」

「作ってたんだろ」


あたしの言葉を遮り、あたしの手に出来たシェイカーのたこを見せてくる。


気付いてたわけ?


「俺にも、教えてくれよ。本物のベルモント」


ホント、自分勝手な人。


でも、あたしも相当往生際が悪い女。


目の前に並ぶ、カクテルの材料や用具たちを見て、作りたいと気持ちを抑えられないんだから、、、


昨日、何年ぶりに振ったシェイカー。


諦めると決めてから、1度だって振ることはなかった。


でも、体は忘れていなかった。


あたし、、、


どうしてこんなに好きなんだろう。

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