ラブ・カクテル
だから、好きになり過ぎた。


そして、ブルームーンのカクテルが作れなくなった時、同じくらい苦しくなった。


大好きだった、カクテルが作れなくて、、、


バーテンダーになるのを諦めたと同時に、あたしは何もかも失くした気がした。


大和のことを諦め、あたしにはバーテンダーの夢しかなかったのに、、、


なかったから、かな?


またブルームーンを作れるように、何度だって作った。


だけど何度作っても、あたしはブルームーンを作ることが出来なかった。


「何急に黙り込んでんだよ」


あたしの隣に座りながら、顔を覗き込む。


「ううん。、、、仕事のこと、考えてた」


あたしは、適当のいい訳を口にした。

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