ラブ・カクテル
あたしはそっと、文也の背中に手を回す。


「理沙は、、、わかってねぇよ。俺の気持ち」


、、、文也の気持ち?


あたしは文也の気持ちを、ちゃんとわかってあげれてない?


「、、、わかってる、つもりだよ?」

「わかってねぇよ」


文也は抱き締めていた力を緩ませる。


そして、あたしのおでこに自分のおでこを重ねる。


「理沙は、俺がどれだけ理沙のことを好きかわかってねぇ」


あたしは文也の背中に回した手を、上へと持ってくる。


__グイッ__


文也の頭を、引き寄せる。


「文也こそ、わかってないよ。あたしの気持ち」


そして自分から、唇を重ねた。

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