ラブ・カクテル
いつもこの時間なら、学生や通勤中のサラリーマンが足早に行き交っている。


だけど今日は週末なこともあり、いつもより人が少ない。


こんなに早く家を出たは良いが、あたしはどこに向かうつもりなんだろう。


行先も決めず、あたしはただブラブラと歩く。


「理沙」


誰かに、名前を呼ばれた気がした。


キョロキョロと周りを見渡しても、誰もいない。


なんだ、あたしの勘違いか、、、


「理沙」


__グイッ__


そう、もう一度名前を呼ばれ、腕を引かれた。


そのせいで、後ろに倒れそうになる。


ヤバッ、、、


そう思い、目を瞑る。


、、、あれ?痛くない。


「理沙」


あたしは、声のする方に振り返る。


「、、、文也?」


なんで?ここに、文也が?


あたし、まだ寝ぼけてるのかな?

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