ラブ・カクテル
あたしはトロフィーを、文也の返す。


「うん。、、、頑張って」

「いつか本物のバーテンダーになって、必ず日本に戻ってくる。その時、、、笑って、会おうな?」


笑って、、、


「その時、、、あたしに、最高のカクテル、、、作ってね?」

「あぁ。文句の1つも言えないカクテル、作ってるやる」


そして文也は、あたしに手を差し出す。


その手に、あたしは自分の手を重ねた。


「幸せに、なれよ?」


それは、わからない。


だけど、文也に心配を掛けないタメに、頷いた。


「文也も、幸せになって」

「あぁ。じゃ、またな?」


そして、離された手。


「さよなら、文也」


あたしは真っ直ぐに、文也の目を見て言い、その場を後にした。

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