ラブ・カクテル
会社を出て、タクシーを拾う。


運転手さんに、文也との待ち合わせ場所を伝えた。


窓から見える風景に、ふと、、、自分が、フランスに向った頃のことを思い出す。


あの頃、、、


大和のことを想って、どれだけの涙を流しただろう。


そんな自分に、あたしはどれだけの言い訳を並べていたのだろう。


日本を離れたら、大和のことを忘れられる。


そう、信じて、、、飛行機に乗り込んだ。


だけど、、、忘れられなかった。


どう、しても、、、


だけど、今も、、、


あの頃と、同じように大和のことを好きなのに、、、


あたしの心の中に、大和は居るのに、、、


それでも、不思議と笑っていられるんだ。

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