ラブ・カクテル
画面には、”文也”と表示されている。


「もしもし?」

『外、寒いでしょ?』


え?文也は、あたしがもうここに居ること知っているのだろうか?


なので、あたしはキョロキョロと辺りを見渡す。


『こっち。空港見て』


あたしは文也の言葉どおり、空港の方を見る。


そして電話越しに聞こえてくる、空港内のアナウンス。


「待ち合わせ場所、公園だよね?」

『うん』


なのに、どうして文也はそこに居るの?


『俺、理沙に嘘ついた』


、、、嘘?


『俺、21時の便じゃなくて、20時20分の便で行くんだ』


20時20分って、、、


『だから、そろそろ飛行機に乗らないと』

< 552 / 580 >

この作品をシェア

pagetop