ラブ・カクテル
彼と体を重ねた後、あたしはいつの間にか彼のベットで寝ていた。


隣からは、彼の規則正しい呼吸が聞こえる。


あたしは彼を起こさないよう、静かに布団の中から出る。


そして、ベットの下に散らばっている服たちを身に着ける。


「ばいばい」


まだ寝ている彼の頭を起こさないようにそっと頭を撫で、あたしは彼の部屋を出た。


彼と乗って来たエレベーターに1人で乗り込み、あたしは自分が住んでいる階のボタンを押す。


このマンションに住んでから、彼と会ったことは一度もない。


だからきっと、これからも会うことはないだろう。


それが、、、1番良いのかもしれない。


止まったエレベータから降り、あたしは自分の家へと帰った。


「理沙が朝帰りなんて、珍しいね~」


玄関を開けると、姉の恵理(えり)に出迎えられた。

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