1%のキセキ
そんなこんなで次の休みに、近所のショッピングモールへやって来ていた。
めぼしいブランドを転々と真結とお母さんと見て回り、ああでもないこうでもないとウンウン唸りながら2人を引きずり回す。
店内の鏡の前で、片手には青いドレスを持ち、もう片方の手にはオレンジ色のドレスを持って首を傾げた。
「どうしよう何色がいいかな、ねぇ真結どう思う?」
「もう、どうでもいいんじゃない?」
私に連れ回され疲れ切っている真結が投げやりにそう答える。
「やっぱり無難に紺か黒?でもちょっと定番過ぎて地味?」
「いいじゃない、痩せて見えるし」
と、腕を組みながら言うお母さん。
「あぁ、それ今の私には重要だよね。あ、でも、このピンクも可愛いっ」
次から次へと目移りする私に、心底うんざりした真結がついに切れた。
「もー、好きなの着ればいいんじゃん!」
「付き合わせてごめんって、ご飯奢るからさ」
「なんでそんなに気合い入ってんの?」
「だ、だって皆と久しぶりに会うんだから綺麗に見られたいじゃん」
嘘はついてない。
すると少し固い私の表情から察したのか、真結の目がジトーっと私を見つめた。
「……あー、宗佑さん来るからか」
「ち、違うよ、そうちゃんは全然関係ないっ」
すると、その会話を聞いていたお母さんから衝撃的な一言が。
「え、宗佑君?仕事で厄払い出れないって晶子さんが言ってたわよ?同窓会も難しいって」
「えぇっ!!?」
目が飛び出る程、大きな声で驚嘆する私。
「ちょ、ちょっと、未結声でかいわよ」
「あはは、本当お姉ちゃんって分かりやすいよねー。さっきまで全然関係ないとか言ってたのに大ありじゃん」
だって、てっきり来るもんだと思ってたから。
最近2~3日に1回位しか電話してなかったけどさ、一言位言ってくれてもいいのに。