1%のキセキ
『今、好きな人はいますか?
付き合ってる人はいますか?
もしかしてもう結婚してたりしますか?
質問責めだな。
まぁ、でもそこがやっぱり一番気になるよね。
まさか婚約者と結婚式一か月前に別れることになるなんて、この時は思いもよらなかったろうに。
『私は今そうちゃんが大好きです』
昔の自分から、単刀直入にそう告げられドキっとしてしまう。
ドキドキしながら更に読み進めた。
『でもそうちゃんはどんどんかっこ良くなって、女子にモテモテです。
私なんか目にない感じです。
だから諦めようと色んな男の子を好きになれるよう頑張ってます。
大人になったそうちゃんと会ったりしていますか?
やっぱり相変わらずかっこいいんです?
ハゲたりデブになったりしてませんか?
そうちゃんのことは、ちゃんと諦めらましたか?
それとも大人になってもまだ好きだったりしますか?
もしそうだったら、今度は諦めないで欲しいです。
私はやっぱり、どうしたってそうちゃんが一番好きです。
そして、私の夢はそうちゃんのお嫁さんになることです。
どうか私の夢を叶えて下さい、よろしくお願いします』
なっ、なんてこと書いてるの私ってば……っ。
恋愛一色の作文。
本当マセガキだったよなー。
……夢はそうちゃんのお嫁さんになること、か。
もう、昔の私ってば好き勝手言ってくれちゃって。
大人になったら、簡単に告白できるとでも思ってたのかな?
好きな人に、気持ちを伝えるのはいくつになっても緊張するし怖いものなのに。
小さい頃の自分にそう言って聞かせてやりたくなる。
でも……、改めて、そうちゃんへの気持ちを思い起こしてくれてありがとう。
きっと、その願いが叶えれるよう頑張ってみるから。