1%のキセキ
あぁ、もう、
だめだ……!
鳴る、鳴る、鳴る……っ
お腹がっ!!
きゅるるる~っ。
一瞬、そうちゃんの手が止まるも気付かないフリをされ行為は続く。
しかし私の腹の音は止まらない。
更にけたたましい音で、
ぎゅるるるるるーっ。
「……ぷっ」
ついに我慢しきれず漏れ出た笑い声と共に、そうちゃんの手が止まった。
「ぷ……く、くっ。だめだ、もう」
抑えきれずに声に出して笑い始めたそうちゃん。
あぁ、恥ずかし過ぎて死にそう……っ。
中途半端に身ぐるみを剥がされた体をおずおずとドレスで隠した。
「どうしてくれんの、雰囲気ぶち壊し」
「そ、そんなに笑わなくたっていいでしょ!」
「何?どうしたの、下で食べなかったの?」
「……だ、だって、コルセットがきつくて食欲なくて、それに最近太り気味だからあまり食べないようにしてて」
そう言う私に、改めてじっとだらしない体を見られ、咄嗟にドレスを上げて隠した。
「あー……、意外に肉ついてんのな」
納得した様子で、横から私の脇腹をぷにっと摘ままれる。
「ひゃあっ」
途端に私は、短い悲鳴を上げた。
恐る恐るそうちゃんの顔を見上げて聞く。
「……し、失望した?」
「は?」
「こんな体で」
「する訳ないだろ。別に未結の外見で好きになった訳じゃないし。それに元々お前が太りやすいのは知ってるし」
……で、ですよね。
あのお人形さんみたいに可愛い子より私なんかを選んだんだもの。
しかし、今思うと本当に可愛い子だったなー。
そうちゃんは、本当に私なんかで良いんだろうか。
そもそも、私のどこを好きになったんだろう?