ひまわり
「うん。帰るところ!遼くんもお疲れさま。」

返事をしながら、ポケットからハンカチを取り出す。
「風邪ひくよ?」と遼くんへ差し出した。

「あっ…ありがとう!タオル教室でさ。借りるわ。」

ハンカチを受け取り、額の汗を拭いた。
それでも汗が出てくるのは部活を頑張っていた証拠なんだろうなぁ

グウゥゥゥ
どこからか聞こえてきた音。
汗を拭いていた遼くんが慌てて、自分のお腹を押さえる。

「泉谷ってばお腹すいてるの?すごい大きな音!」

ケラケラと愛実が笑って、はっきりと遼くんにつっこむ。
私と千沙ちゃんはつられてコロコロと笑う。
若干顔を赤くした遼くん。

「うるせーな。動いてたから腹減ったんだよ!」

その言葉を聞いて、私は鞄をゴソゴソ。

「良かったら食べる?ジンジャークッキーなんだけど、美味しく出来たんだ♪」

さっき作ったばかりのクッキーを遼くんに見せる。
すると顔を赤くしていたはずの遼くんの目が輝いた。

「マジで!?食べていいの!?」

「どうぞ♪味見はしたからあげるよ。」

すごい嬉しそうにクッキーを受け取り、さっそく一枚食べた。
モグモグと美味しそうに食べる。

「うまい!ありがとうな。」

にっこりと笑ってお礼を言われる。
そんなに嬉しそうにされると、作ったかいがありました♪
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