ひまわり
******
───ガタッ
「何なんだよ。部活の話なんて、さっきのミーティングで話しただろ。」
永峰の前から離れたあと、俺は誰もいない教室に、伸也を連れていっていた。
電気はつけず、暗い中で二人は向き合う。
無理矢理、連れてこられた伸也の声は怒りが混じっている。
「永峰が好きなのか?」
俺は唐突に質問をする。
さっきまでヘラヘラとした笑顔を作っていたが、今は真剣な顔。
伸也は俺を軽く睨んだまま、少しの間黙った。
「…そんなの遼には関係ねぇだろ。」
沈黙を破った伸也の言葉は質問の返事ではなかった。
けれど否定しないのは肯定したようなもの・・・そう感じ取った俺は凛とした声で、自分の気持ちを言葉にする。
「関係ある。俺は永峰が好きだ。」
暗い教室に響いた声。
それは全くの迷いなく、秘めた想いを口にした瞬間だった。
「…付き合ってるわけじゃねぇだろ。邪魔すんなよ。」
「それは俺の台詞だよ。邪魔するんじゃねぇ。」
睨み合う二人。
遠くからは、家路に急ぐ生徒たちの声が聞こえてくる。
突然、二人のいる教室の前がガヤガヤとうるさくなった。
「おい!お前ら、こんな暗い教室で何してんだよ?早く帰らねぇと顧問がうるせーぞ。」
同じバスケ部の友人に声をかけられた。
すると、ずっと睨んでいた伸也がフッと静かに笑う。
「…何が可笑しいんだよ。」
「別に…。俺のが永峰さんのこと知ってるんだったって思ってさ。」
それだけ言って、伸也は教室を出て、友人たちの輪の中に混ざっていった。
残された遼には森の言葉の意味が理解出来なかった。
ゆっくりと教室を出ながら考える。
「…連絡先を交換した時が…初対面なんじゃないのか…?」
永峰と伸也が連絡を取るようになってから、まだ二週間ほどのはず。
俺が聞いた話だと、初対面だったうえに、永峰は連絡とるのが億劫になっている・・・ということだった。
伸也の意味深な言葉と笑顔。
『あいつは油断できない』
俺はそう思うばかりだった。
───ガタッ
「何なんだよ。部活の話なんて、さっきのミーティングで話しただろ。」
永峰の前から離れたあと、俺は誰もいない教室に、伸也を連れていっていた。
電気はつけず、暗い中で二人は向き合う。
無理矢理、連れてこられた伸也の声は怒りが混じっている。
「永峰が好きなのか?」
俺は唐突に質問をする。
さっきまでヘラヘラとした笑顔を作っていたが、今は真剣な顔。
伸也は俺を軽く睨んだまま、少しの間黙った。
「…そんなの遼には関係ねぇだろ。」
沈黙を破った伸也の言葉は質問の返事ではなかった。
けれど否定しないのは肯定したようなもの・・・そう感じ取った俺は凛とした声で、自分の気持ちを言葉にする。
「関係ある。俺は永峰が好きだ。」
暗い教室に響いた声。
それは全くの迷いなく、秘めた想いを口にした瞬間だった。
「…付き合ってるわけじゃねぇだろ。邪魔すんなよ。」
「それは俺の台詞だよ。邪魔するんじゃねぇ。」
睨み合う二人。
遠くからは、家路に急ぐ生徒たちの声が聞こえてくる。
突然、二人のいる教室の前がガヤガヤとうるさくなった。
「おい!お前ら、こんな暗い教室で何してんだよ?早く帰らねぇと顧問がうるせーぞ。」
同じバスケ部の友人に声をかけられた。
すると、ずっと睨んでいた伸也がフッと静かに笑う。
「…何が可笑しいんだよ。」
「別に…。俺のが永峰さんのこと知ってるんだったって思ってさ。」
それだけ言って、伸也は教室を出て、友人たちの輪の中に混ざっていった。
残された遼には森の言葉の意味が理解出来なかった。
ゆっくりと教室を出ながら考える。
「…連絡先を交換した時が…初対面なんじゃないのか…?」
永峰と伸也が連絡を取るようになってから、まだ二週間ほどのはず。
俺が聞いた話だと、初対面だったうえに、永峰は連絡とるのが億劫になっている・・・ということだった。
伸也の意味深な言葉と笑顔。
『あいつは油断できない』
俺はそう思うばかりだった。