ひまわり
「結麻ちゃんが夢に見る好きな人って…過去に会ったことのある人なんじゃないかな?」

──それは私も考えてた

夢を見るようになって、どんどん惹かれて、どんどん好きになって・・・過去を覚えていないこと初めて「悔しい」って思った。
もしかしたら失った記憶の中に【彼】との思い出があったのかもしれない

でも・・・
探しても探しても彼については何もわからなかった


「お母さんに聞いたことあるんだ。【高校生くらいの人で知り合いっていた?】って。でもいないって言われちゃった。」

あの日のことを思い出すと悲しくなる。
夢の彼の特徴を言って、知り合いにいなかったかって、勇気を出してお母さんに聞いたのに「思い当たらない」ってすぐに返事をされてしまった。

「そっかー。お母さんが知らない人ってことかなぁ?」

千沙ちゃんもガッカリしたようだった。

「でもその夢が記憶だとして、それっていつのことなんだろうね。」

不思議そうに愛実が呟く。
それは私も思っていたことだった。

なにも覚えていないけど、少し過去のことを知っていられるのは、小学校に入ってから毎日書いていた日記のおかげ。
でもその中にも夢の彼に該当するような人物はいなかった。

今も夢に見るってことは、きっと昔の私も彼に恋をしていたんじゃないかって思う。

なのに何も書かれていない。
それに小四の時は森くんが好きだった。
ってことはそれよりも前の話になるはず・・・

「小四より前…日記つける前…幼稚園の時とか?」

ふと思ったことを言ってしまった。
すると反応したのは愛実。

「じゃあその人さ、今は何歳になるわけ?」

思わず千沙ちゃんと顔を見合わせる。

え~っと・・・4歳の時に17歳だとすると・・・
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