ひまわり
「…30過ぎ…くらい?」

想像での大体の年齢を言ってみた。
するとなんだか可笑しくなってきた。

「私って30過ぎのおじさんを好きでいるわけ!?」

ころころ笑っていると、二人もつられて笑いだした。

「そういうことになるんじゃない?」

「恋に歳の差なんて関係ないよ!!」

ケラケラ、ころころ、くすくす、笑っていると自分の恋が面白くなってきた。

会えない彼に真剣に恋しているせいで、記憶をないことを悔しく思ったり悩んでばかりで自分の恋を楽しんだことなんてなかったから、笑って話せているのが不思議な感じ。

「じゃあ三十路を中心に探してみようかな♪」

こんな冗談も言えるから、楽しんで恋してみよう。

運命の人なら、きっと出会える。
夢で見るほどの人だから、会えるんじゃないかって勝手に思っているんだ。


この日は三人で笑い合って楽しく過ごした。

「愛実ちゃんは好きな人いないの?」

「私は恋ってまだ興味ないんだよねぇ~。人の恋愛見ている方が楽しい♪」

なんて少し愛実の恋愛についても話したりして。
たくさんあったお菓子はあっという間になくなった。

・・・ちょっとダイエットしないとなぁ

明日から高校二年生になる。
クラス替えもあるから、ちょっぴりの不安もあるけど、ワクワクした楽しみがある。

遼くんからとのメッセージのやり取りをして、学校の支度をして、この日私は眠りについた。


まさか次の日に運命的な出会いがあるとも知らず───
< 57 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop