ひまわり
「結~麻ちゃん♪大野先生、もういないよ?」

千沙ちゃんの声で我に返った。
すぐ隣に千沙ちゃんと愛実が来ていたのに、全く気がついていなかった。

「さっきはびっくりしたよ~。結麻があんなに大きな声だすなんて…やっぱり大野先生が運命の夢の彼だ♪」

愛実が嬉しそうにからかってくる。
千沙ちゃんも嬉しそうな笑顔でニコニコしていた。

「そうだと思うんだけど…。」

「どうしたの?なんか違うの?」

「うん…。帰りながら話すね。」

鞄を持って三人で並んで歩き出す。
今日は部活もないから学校からでて駅に向かった。

その途中、二人に話したのは、先生の自己紹介を聞いているときに浮かんだ疑問のこと。

大野先生はこの高校出身って言っていた。
だけど、夢で見る彼が着ている制服が・・・私たちの高校のものではない。

この高校の男子の制服はブレザーにチェックのズボン。
ネクタイは紺色ベースの斜めストライプ。

夢の彼は・・・ブレザーなのは同じ。
だけど、ズボンがブレザーと同じ一色のシンプルなもの。
ネクタイも濃いブルーだけのシンプルさだった。

中学生の頃の先生?
でも、そこまで幼い気はしない・・・。

違う人なのかもしれない。

でもね・・・
先生の雰囲気が夢の彼と同じなの
それに私の心が反応する

あぁ・・・やっと会えたんだって

「先生に聞きに行ってみない?中学校の制服ってどんな感じだったって!」

千沙ちゃんが提案してくれた。

「そうだね。聞きに行ってみようかな…。」

「じゃあ明日、さっそく行ってみよう~!!」

二人が一緒なら心強い。
少しづつでいいから、先生のことを知っていきたい。

やっと出会えた運命の人かもしれないから───
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