ひまわり
「この班は美味しそうに食べるな♪」

急に後ろから聞こえてきた声に、体がビクッと反応した。
振り向きたいのに振り向けない・・・緊張のせいで心と体が矛盾する。

「おーちゃん!すっげーうまいよ!」

班の男子が楽しそうに話し出す。
私の後ろにいるのは、大野先生。
話しかけるチャンスなのに、体が動かない。

「遼は何で野菜ばっか皿にのってんの?野菜好き?」

「苦手なんですけど、永峰に『バランス良く食べなさい!』って怒られたんすよ。この野菜、永峰が全部のせたんだよな?」

「ちょっ…!言わなくても良いじゃん!!」

野菜のことを先生に言われて私は焦った。

ただ、さすがバスケ部顧問とバスケ部員。
大野先生は遼くんを【遼】と呼び捨てで、遼くんは先生に軽い感じで話している。
仲良いんだろうなぁと思えてしまう。

「いや、永峰さんの言う通りだろ。高校生が好き嫌いすんな。」

笑って言ってくれたから、思わず先生のことを見てしまった。
遼くんの頭を軽く小突いていた。

先生の身長は遼くんとほぼ同じくらい。
すこーしだけ・・・先生のが小さいかもしれない。
童顔な上に、タレ目な瞳で笑うと25歳だとは思わせない幼い雰囲気をかもしだす。
だから、笑って話している二人は同級生の様だった。
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