私と彼の恋愛理論
休みもなく、毎日深夜まで残業する日々でも、ある程度の波はある。

その日はたまたま手が空いて夜9時に会社を出ることができた。

日付が変わる前に退社したのは久しぶりで。

同時に、まどかと音信不通になってから1ヶ月が経とうとしていた。


何食わぬ顔をして、久々に彼女の部屋を訪ねようかという気持ちになった。

早く仕事が片づいたから。

今日ならそんな風に言える。

本当は。

もう会いたくて。
ただ会いたくて。
仕方なかった。



だけど、気分良く大通りを歩き始めた俺の視界に飛び込んできたのは。

反対側の歩道を肩を寄せ合って歩く。


まどかと。


男の姿だった。
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