私と彼の恋愛理論
尚樹の左手が私の右手を握りしめる。

彼の動きが一段と激しくなり、私は必死に彼の指に指を絡めた。

「んっ、はあっ…」

私の口から、いやらしい声が洩れる。

私が快感で何度も背中を反らせる度に、彼は必死に耐えていた。

しばらくそれを繰り返し、二人でその時を迎えた。

私が一段と大きな声を上げた瞬間、彼も私の中で達したようだった。

彼は耐えきれずに小さく呻き声をあげて、私の中で何度か震えた。

それが収まると、いつものように、私の耳元で尚樹が私の名前を呼ぶ。

「まどか…」


でも、今日は続きがあった。



「愛してる。」

私は意識が薄れていく中、はっきりとその言葉を聞いた。
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