私と彼の恋愛理論
目覚めると、ダブルベッドには私一人だった。

少し気だるい体で上半身だけ起こして部屋を見渡したが、尚樹の姿はなかった。

「起きたのか?」

寝室のドアが開いて、尚樹が入ってきた。

どうやらシャワーを浴びていたらしい。ミネラルウォーターを飲みながら、下着だけ身につけて、髪はまだ濡れていた。

「シャワー浴びる?」

問いかけに、私は首を横に振る。

「無理。朝にする。」

今から、気だるい体を引きずってバスルームまで行こうとは思わなかった。

その代わり、尚樹の手からミネラルウォーターのボトルを奪う。

「これ、ちょうだい。」

喉がやたら乾いていたので、ごくごくと飲み干す。

尚樹がベッドに潜り込む。

私も空のボトルをベッドサイドのテーブルに置き、横になった。

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