狐石の唄
ケータイが鳴る。
「七海、迎えにきた。」
そんな短文なSNSを送ってきたのは同い年の夕真だった。夕真とは転校してきてからの仲で、七海のよい相談相手おかげで自傷行為や自殺を防ぐことができたのである。

「ありがと〜!!今、行くから待ってー」
そう打って鞄に携帯を入れ、身だしなみを整えていつものシュシュを付ける。夕真はポニーテールがお気に入りなので違う髪型にすると怒って機嫌が悪くなる。
ローファーを履いて、ドアを開ける。

「お待たせー」
「遅い!!何してたんだよ。」
「髪結んでたのー。」
「…ならしゃあないか。」

七海が笑うと夕真もつられて笑ったのだった。
夕真はゆっくりと足を進めた。
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