ダ・イ・エ・ッ・ト
放課後、いつもどうり隆ちゃんが美咲を迎えにきた。



「隆ちゃんっ!!」



教室に響きわたるくらいの大音量で美咲は叫ぶ。



わざとっぽい。



「一緒に帰ろ美咲?」


「うんいいよ♪でも………一つお願いがあるの……」



美咲は隆ちゃんに上目使いで甘えるように話す。



「キスして?この場で♪♪」



教室中がざわめきだす。



隆ちゃんは顔を真っ赤にして、



「っは?!」



と答えた。



一歩足を引く隆ちゃんに対し、美咲はようしゃなく詰め寄る。



「いいでしょぉ?じゃないと帰らない♪♪」


クラスの男子はみんな隆ちゃん達を冷やかす。



女子も面白そうに見守っている。



私だけその場から動けず、時が止まったように動けない。




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