幻の命
彼氏が亡くなって2日後


最初は夢かと思った


ベッドの脇、いつも座っていた場所に彼氏が座っていた


私は、触れたくて手を伸ばそうとするが金縛りのように動けない


必死にもがいた

触れたい…


突然、ふっと体が軽くなり両手を伸ばすことができた


私は、彼氏を必死に抱きしめた

亡くなった時のままの痩せた体

いつも着ていた紺のジャージ


私は、泣いていた


しばらくすると…彼氏の体はすーっと消えていった
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