臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「これは、人間の急所に関係があるから全員覚えておけ! オーソドックスが左へダッキングしながら左ボディーブローを打った時は、肝臓に当たる確率が高い。その場所は右のアバラの下で即効性がある。だがサウスポーがオーソドックスに対して、右へダッキングしながら右のボディーブローを打つと、胴体の左側にあるスイ臓に当たるんだが、あまり即効性はない。ブッチャケて言えば、あまり効かないんだよ! ……片桐、俺の言いたい事が分かるか?」


 梅田は、複雑な顔をしている健太へダメ押しのように話す。

「ここはハッキリ言っておくが、お前のオーソドックスへ打つダッキングしながらの右ボディーブローは、リスクの割に効果がない!」


 健太は、納得いかない表情で更に質問をした。

「すると、今まで練習してきた右ボディー打ちは、あまり使う時が無いって事ですか?」

「俺は今の段階でと最初に言った筈だぞ」

「だったら、これからどうしていくか教えて下さい! 頑張りますから」

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