臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
個人レッスン
 翌日の一時間目、ロングホームルームで球技大会の種目分けがあった。

 その前に担任が説明をした。

「三種目とも男女混合なんだから、男共にはハンデ付きだ。バスケはリバウンド禁止、バレーはスパイク禁止、ソフトは利き手と逆でやる」


 不満そうな男子生徒達に気が付いたのか、担任は話を付け加える。

「お前ら女子と一緒に出来るだけでも有り得ないんだから、そんな顔をすんな! この時間でメンバーを決めるから、俺の配った用紙に名前と出る種目を書いておけよ。書いた者から俺の所に持って来い」


 担任の机にクラス四十人分の用紙が集まっていく。

 担任はその用紙を見ながら、バレー・バスケ・ソフトと書いてある黒板に、「正」の字を書いていった。

 担任が「正」の字を書く時、白と赤のチョークを使い分けていた。

 全員が用紙を出した後、四十本分の線を引いた担任は驚いた表情になっていた。

「なんだよ! もう直す必要ないじゃないか」

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