臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
 黒板にあるバスケの所には、「正」が二つ完成し、白と赤の線が五本ずつ入っていた。

 バレーは白と赤が六本ずつ、ソフトボールには九本ずつ入っている。


「言い忘れたが、バスケの定員は十人、バレーは十二人、ソフトは十八人だ。どれも男女半々にしなければならないんだが、こうもアッサリ決まるとはなぁ……」

 担任は困った顔をしながら全員に言った。

「今日のホームルームは球技大会の種目分けでてこずる予定だったから、何にも考えてなかったんだよ。……お前ら種目別に集まって適当に雑談してろ」


「バスケはこっちだよー!」

 麗奈の声に、バスケに出る全員が彼女の席に集まった。

 麗奈は担任へ聞こえないように、声を低くして康平に話し掛ける。

「昨日健太が言ってた一人二百円の話をさぁ、女バス全員に話したら皆ノリ気みたい」


「ん、なになに、一体何の話?」


 麗奈は、康平を除いた八人のメンバーにケーキバイキングの事を説明した。

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