臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「何か面白そうだね」

 亜樹も含めた六人のメンバーは、好奇心旺盛な顔をしていた。


「二百円は出すけどさぁ。……俺らバスケ上手くないけど参加していいのかなぁ?」

「そうそう、あそこのケーキバイキングは行きたいんだけど、みんなの足を引っ張ってヒンシュク買いたくないしぃ。……私達二人はずっと控えでいいよ」

 小柄で仲の良さそうな男女二人が、全員の顔を見ながら麗奈に言った。


「球技大会なんて遊びなんだから、上手くなくたって大丈夫よ! ……でもぉ、練習したいんだったら協力するわよ。土日の午後からだったら私は大丈夫だけど。あ、強制じゃないから……ネ!」

 笑顔で話しながらも目が笑っていない麗奈の表情を見た二人は、土曜日を練習日にした。


「康平も当然練習するんでしょ?」

「ワリィなぁ、土日の午後からは部活なんだよぉ」

「何呑気な事言ってんの! あんたは他人の三倍練習しなきゃいけないんだから何とか都合つけなさいよ。みんなの二百円を無駄にしたいの?」

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