臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
 麗奈と康平のやり取りを聞いた他のメンバーは、土日の練習に出たいと言い出した。

 土曜日の練習だけ出る予定だった男女二人も、土日に参加すると言い直す。


「そう、みんな悪いわねぇ。ホント強制じゃないんだから。康平は部活サボッたら梅ッチに殺されそうだしね。まぁ仕方無いか。ところでさぁ……」

 麗奈は殆どのメンバーが自主的(?)に練習する事へ気を良くしたのか、バスケと関係無い話を始めていた。



 放課後、亜樹に誘われていた康平は市民体育館にいた。

 亜樹は十分程遅れて体育館に着く。走ってきたようで息が弾んでいた。

「ゴメンね、待たせちゃって! 練習着を取りに一度家に帰ったんだ」

「学校に持ってくりゃいいんじゃねえの?」

「イヤよ! バッシュとかカサ張るし学校では目立ちたくないからね。……チョット待ってて!」

 亜樹は急いで更衣室に入っていった。

< 124 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop