臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
謝りながら前へ進め?
 康平と白鳥は、一週間の内四日間は飯島の指導を受けている。

 曜日にすると、火・木・土・日の四日になる。

 二・三年生は、月・水・金の三日間がスパーリングの日だ。

 水曜日は康平達一年生が休みの日なので、梅田・飯島の両先生が指導に入るが、月・金曜日は梅田が第二体育館で一年生の指導に当たり、飯島が二・三年生のスパーリングについていた。

 スパーリングは選手同士が戦う実戦練習なので、事故防止の為に必ず指導者がついていなければならない。

 その為、月・金曜日は、梅田だけが第二体育館に来て、一年生の指導に当たっていた。

 だが、その時の梅田はミットを持たず、専ら形式練習をさせた。


 康平と白鳥が、飯島からカニ歩きを教わって一週間後の火曜日、飯島は第二体育館に来ていた。

「高田と白鳥は、カニ歩きにも大分慣れてきたようだな! 新しい技の練習に入る前に付け加えたい事があるから、今から話す事を頭に入れておけよ」
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