臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「何言ってんのよ。迷惑なプレゼントあげるよりよっぽどマシだよ。……でも、そのコの事好きなんだろ?」

 真由に訊かれた康平は顔を赤らめた。

「いや、まだハッキリ分かんねぇけど、……でも本気でお礼はしたいと思っているよ」


「照れてんじゃねぇよ」

 健太は茶々を入れたが真由は笑わなかった。

「康平は、きっとジックリと人を好きになるタイプなのかも知れないね。……まぁここは男の見せ所だからしっかりやんなよ」

 彼女はそう言い残し、自分の部屋に戻っていった。

 康平と健太は、知らず知らずの間に正座になっていた。

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