臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
 康平が二人の所へ行くと、再び飯島が口を開く。

「お前らはまだ下半身が弱い。これから補強の時に二つのメニューを追加するぞ! ケンケンと空気椅子だ」

「ケンケンて何ですか?」

 白鳥が質問をした。

「ケンケンパって遊びが昔あったんだが、パの部分を無くしてやるから、俺と梅田先生はケンケンと言っているんだがな。……要は片足で前に進むんだ。二人共左足を上げろ! ……そして、立っている右足で、思い切り蹴って前に進んでみろ!」

 飯島は手本を見せながら説明する。康平と白鳥もそれに続いて右足で蹴って前に進んだ。

「ケンケンはこんな感じだが分かったな?」

 二人が返事をすると、飯島は更に説明を続けた。

「じゃあ今度は空気椅子だな。まぁ知ってると思うが、空気の椅子に座る感じで中腰になるんだ!」

 飯島は話しながら、両腕を前に延ばして自らポーズを作った。

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