臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「私の方こそ言いそびれちゃってゴメンね。うちのクラスでスリーポイントを打つ役目の人は、君も入れて四人いるんだけどね」

「すると、俺の他に下手な奴が三人いるってわけだ」

「……その四人からスリーポイントを打ってもらうんだけど、その役目の人にマークが付くと相手チームのディフェンスがバラけるでしょ?」

「俺達ゴールから遠い位置にいるからね」

「その時は、バスケをある程度出来るメンバーがゴールに切り込んでいくんだ」

「俺達にマークが来なかったら?」

「その時は康平逹にシュートを打ってもらうよ」

「そっか。そのコボレ球を亜樹と麗奈が拾うんだね。……でも上手くいくのかな?」

「分からないわ。でも、上手くいくかどうか別にして私はこの作戦が好きよ」

 亜樹の言葉に康平は不思議そうな顔をした。

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