臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
【俺……そう見えたかな?】
【そんな事言ってないでしょ! 第一、練習中は君を見てなかったしね。……私が勝手に思っただけだよ】
【さ、寂しくはなかったけど、……みんな上手いなぁって感心してたよ】
【そう……だったらいいんだけど。今度の水曜は最後の練習だから覚悟しててね。みんなについていけるように、ビシビシいくからね!】
電話を終えた康平は居間に戻ろうとした。だが亜樹の心遣いが嬉しかったのか、顔が弛んでしまっている。
洗面所の鏡を見ながら弛んだ顔を元に戻そうとしたが、上手くいかず二階の自分の部屋へ行く事にした。
居間の前を通った時、真緒が襖を小さく開けて笑っている。
「兄貴、憂鬱な顔は出来た?」
康平はそそくさと二階へ上がっていった。
【そんな事言ってないでしょ! 第一、練習中は君を見てなかったしね。……私が勝手に思っただけだよ】
【さ、寂しくはなかったけど、……みんな上手いなぁって感心してたよ】
【そう……だったらいいんだけど。今度の水曜は最後の練習だから覚悟しててね。みんなについていけるように、ビシビシいくからね!】
電話を終えた康平は居間に戻ろうとした。だが亜樹の心遣いが嬉しかったのか、顔が弛んでしまっている。
洗面所の鏡を見ながら弛んだ顔を元に戻そうとしたが、上手くいかず二階の自分の部屋へ行く事にした。
居間の前を通った時、真緒が襖を小さく開けて笑っている。
「兄貴、憂鬱な顔は出来た?」
康平はそそくさと二階へ上がっていった。