臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「あの学校の近くには、アマチュアのボクシングジムがあるんだよ。そこで黒木は練習してるんだ。
……それと黒木本人から聞いたんだが、奴の一つ下で沼津(ぬまづ)というのが強いらしいんだ。確かライト級(六十キロ以下)だって言ってたな」
「えーっ、マジッスか! 俺と同じ階級じゃないですか」
説明している飯島の後ろから、着替えを終えた相沢が悲鳴に近い声を挙げた。彼も二年生だ。
石山は笑いながらフォローした。
「安心しろ。俺も黒木から聞いていたんだが、沼津は強いがアホな奴らしいぞ」
「石山、そりゃ安心出来ねぇだろ。アホ対決じゃ相沢も負けてねぇと思うぜ」
「兵藤先輩ひでぇッスね! 俺が人間的にアホになったのは、スパーリングで三人の先輩に殴られたせいッスよ」
相沢は笑いをとっていたが、四人の一年生達は笑っていいのか迷っていた。
ひとしきりの笑いが終わった頃、梅田が口を開く。
「一・二年生が全員揃っているから丁度いいな! 三年生も国体で引退だし、新たなキャプテンを発表する」
……それと黒木本人から聞いたんだが、奴の一つ下で沼津(ぬまづ)というのが強いらしいんだ。確かライト級(六十キロ以下)だって言ってたな」
「えーっ、マジッスか! 俺と同じ階級じゃないですか」
説明している飯島の後ろから、着替えを終えた相沢が悲鳴に近い声を挙げた。彼も二年生だ。
石山は笑いながらフォローした。
「安心しろ。俺も黒木から聞いていたんだが、沼津は強いがアホな奴らしいぞ」
「石山、そりゃ安心出来ねぇだろ。アホ対決じゃ相沢も負けてねぇと思うぜ」
「兵藤先輩ひでぇッスね! 俺が人間的にアホになったのは、スパーリングで三人の先輩に殴られたせいッスよ」
相沢は笑いをとっていたが、四人の一年生達は笑っていいのか迷っていた。
ひとしきりの笑いが終わった頃、梅田が口を開く。
「一・二年生が全員揃っているから丁度いいな! 三年生も国体で引退だし、新たなキャプテンを発表する」