臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「あの三人は結構内気なのよねぇ。見ていて気の毒になるよ」

 麗奈は同情するような眼差しで三組を見ていた。


「その点うちは大丈夫だよ。なんたって麗奈様と亜樹様っていう二大女王様がいるもんね」

 山根が言った途端、数人が吹き出す。


「ヒドイ言われようね!」

 亜樹と麗奈は口を合わせて言った。


「もうすぐ後半始まっけどさぁ、逆転されても俺を恨むなよ」

 新ポイントガードの服部が自信無さげにボヤく。


「大丈夫だって、女王様の亜樹が指示するからさ」

 麗奈は微笑みながら話した。


「夏美(村田)だって大丈夫だよ。女王様の麗奈がアドバイスするからね。……麗奈と夏美ちょっといい?」

 亜樹も微笑しながらお返しをしたが、一瞬康平を見てから二人に何か話していた。

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