臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
麗奈達と交替した時点で、一組が十二点リードしていた。時間が進むにつれ、両チーム共に得点を重ねていったが、点差は変わらない。互角の試合展開である。
康平は後ろから亜樹のアドバイスもあり、ディフェンスは何とか出来るようになっていった。
オフェンスの際、康平はシュートを打てそうな場所にいるのだが、再三山根の方にパスがいく。
山根はその度にロングシュートを打つのだが、あまり狙っていないような感じでポンポン放つのもあってか、二回に一回はリバウンド出来ない暴投があった。だが、チームメイトで誰も咎める者はいない。
「あれま、またやっちゃったね」
三度目の暴投の後、山根は首に手を当てて舌を出す。
「その内間違って入るんじゃねぇの?」
ディフェンスに戻る長瀬が笑いながら言うと、亜樹と村田が軽く吹き出していた。
その様子を見ていた康平は、自分もシュートを打ちたい気持ちになっていった。
三組が得点し、相手方コートへ向かう康平に亜樹が話し掛ける。
「康平もシュートが打ちたかったら右手を軽く挙げてみなよ。パスが来るかも知れないからさ。シュートを打つ時分かるよね、……フォームを意識すればいいからさ」
康平の後ろで、二人の話を聞いていた村田がニヤリと笑った。
康平は後ろから亜樹のアドバイスもあり、ディフェンスは何とか出来るようになっていった。
オフェンスの際、康平はシュートを打てそうな場所にいるのだが、再三山根の方にパスがいく。
山根はその度にロングシュートを打つのだが、あまり狙っていないような感じでポンポン放つのもあってか、二回に一回はリバウンド出来ない暴投があった。だが、チームメイトで誰も咎める者はいない。
「あれま、またやっちゃったね」
三度目の暴投の後、山根は首に手を当てて舌を出す。
「その内間違って入るんじゃねぇの?」
ディフェンスに戻る長瀬が笑いながら言うと、亜樹と村田が軽く吹き出していた。
その様子を見ていた康平は、自分もシュートを打ちたい気持ちになっていった。
三組が得点し、相手方コートへ向かう康平に亜樹が話し掛ける。
「康平もシュートが打ちたかったら右手を軽く挙げてみなよ。パスが来るかも知れないからさ。シュートを打つ時分かるよね、……フォームを意識すればいいからさ」
康平の後ろで、二人の話を聞いていた村田がニヤリと笑った。