臆病者達のボクシング奮闘記(第二話)
「そうね。お昼食べる前に行こっか」

 麗奈は頷きながら答える。二人は、五組と六組が試合をしている第二体育館へ歩いていった。


 弁当を早く食べ終わった康平は、小谷と食事をしている中澤に小声で話し掛ける。

「悪いんだけどさ……食べ終わってからチョット教えてくんないかな?」

「別にいいけど。……僕に教えられるの?」

「二回の試合で中澤がやってた技だったんだよ。何処か誰もいない所があればいいんだけどな」

「保(たもつ=中澤)が教えられるのってあったっけ? ……私もついて行っていいかな?」

「そういえば、小谷も前の試合で使ってたっけな。一人より二人の方がいいし、じゃあ頼むよ。……メシはユックリ食ってていいからさ」


 全員が昼食を終えると、野球部の山崎はソフトボールの試合の審判に行き、バレー部の服部と村田はバレーの試合の審判に行った。他のメンバーは五組と六組の試合が気になるらしく、亜樹達がいる第二体育館へ向かっていった。
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